2008年12月28日日曜日

日本の宇宙産業は危機的?

まあこれは別に日本に限った話じゃないんだけどね。
アメリカだってNASAの予算が削られた余波でいくつもの計画がお蔵入りになってる。
景気がいいのは国家予算をばんばん使える中国くらいのものだろう。

そこでこのニュース。
「日本の宇宙産業は危機的」――“民の力”に期待するJAXA

宇宙開発への国家予算縮小で、日本の宇宙産業が危機に瀕している。JAXAは、民間企業の新規参入を呼びかけたり、投資家を募って宇宙開発の“ビジネス化”を急ぐ。

 「日本の宇宙産業は、非常に危機的な状況にある」――宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、1月17日に開いた産学官連携シンポジウムでこう訴えた。国家予算頼みだった宇宙開発は、予算の減少に伴って縮小傾向に。歯止めをかけるには、宇宙開発に縁のなかった企業の参入や投資家からの資金援助が不可欠。ビジネスモデルの確立も急務だ。


最大の問題は、宇宙産業にはまだ確固としたビジネスモデルが存在しないということだろうなぁ。
衛星打ち上げはそれなりに確立されたビジネスだけど、日本はコスト競争に負けてしまったのでほとんどアメリカとロシアに持っていかれてしまった。
それに宇宙産業を活性化させたいのであれば宇宙で何をしてビジネスにするかというのが肝心なんだが、こちらも今のところ確立されたモデルは通信ビジネスくらいか。

はやぶさタッチダウン成功

前回の着陸成功でサンプル採取成功の可能性もかなり高まったとは思っていたが
こうもうまくいくとはすごいものだ。
どれだけのサンプルが回収できたのかは不明だが、とにかく着陸は成功してサンプル回収機構も無事作動。
1年半後のサンプルリターンが楽しみである。

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 「やった」研究者歓喜、睡眠削り成果…はやぶさ再着陸
 日本の小さな探査機はやぶさが26日、3億キロかなたで大仕事をやってのけた。

 小惑星に再着陸し、岩石の採取に挑むという、世界に例のない離れ業。打ち上げから2年半余り、はやぶさを見守ってきた宇宙航空研究開発機構の研究者たちの間には、成功を確信した瞬間、笑顔と歓声があふれた。

 26日午前7時過ぎ、はやぶさが着陸態勢に入り、地上との通信が制約される時間帯に入った。息詰まる管制室。その緊張が解けたのは、8時40分ごろ。通信が全面回復し、管制室の画面に「WCT」という表示が現れた。岩石採取装置の作動を示す。「やった」「すごいね」。研究者たちの喜びは、インターネットを通じた管制室の中継で、世界中に伝わった。


7時半頃に探査機が上昇に転じるところまではずっと見ていた。
これは成功したなと確信。
眠気が限界に来ていたのでそこで寝てしまったが、やぎの宇宙ブログさんのところを今見ていると
もうちょっと起きていても良かったかなとも思う。

いよいよはやぶさがイトカワに着陸

今夜から明日朝にかけていよいよはやぶさがサンプル採取のためにイトカワに着陸する。
その様子のデジタルライブが今夜の2時から始まるわけだが、
やぎの宇宙ブログさんがブログ上で夜通し応援企画をされるということだ。

なんせ音声無しのライブ中継ということで、画面を見ているだけでは少々退屈なことが予想される。
私は天文ニュースは好きだがこの分野では所詮素人なので、詳しい人の解説がつくというのは嬉しい。
そこでこのブログを読んでくれている人にもやぎの宇宙ブログさんの取り組みを紹介してみる。

以下タイムスケジュールをコピーさせていただく

http://blog.goo.ne.jp/petit_petty/e/06ed2e149168b74387d9580753c07db3
21:00 JAXAによるWeb情報配信スタート
2:00 JAXAによる管制室LIVE中継スタート
3:30頃 高度600mに到達
5:00前 実験続行か中止かの指令を発信
5:00頃 高度40mの中継地点への降下を開始したかどうか判明
6:00過 ターゲットマーカー投下、着陸、サンプル回収
9:00 JAXAによる管制室LIVE中継終了
10:00頃 着陸したか中断したか判明
12:00頃 JAXAからの正式発表


サンプル回収が無事成功するといいな。

タイタンに降る雨

先週のScience誌から

Titan Clouds Hint of Heavy Rains, Methane Gurglings
地球からタイタンをモニターしている天文学者と土星探査機カッシーニから観測している惑星科学者が、土星の巨大な月で起こっている奇妙な現象を報告している。
彼等の報告によると、タイタンの珍しい雲は煙突から立ち上る煙のように中緯度地域に突如現れる。そして風下に吹き流されるに従ってメタンの雨を降らせて消える。しかしこれらの中緯度の雲は少数の小さな点にのみ表れる。これは雲が現れる下の地上に何か特別なもの、噴火するメタン火山か間欠泉が存在する可能性を示している。



421a-2-thumb.gif
Titan clouds tend to form in a line at mid southern latitudes, perhaps over methane eruptions. They are imaged here in the infrared from Earth and by the Cassini spacecraft.

雲の写真
解像度は大して高くないが、特徴的な雲が写っていることが分かる。

マーズ・エクスプレスの観測期間延長を歓迎する

マーズ・エクスプレスの観測期間が延長に、火星を広く深く調べる
ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査衛星マーズ・エクスプレスの観測期間が約23ヶ月(火星で一年、つまり火星が太陽の周りを一周する時間)延長されることとなった。今年12月から始まる「延長戦」の間に、火星の広い範囲に渡る三次元マップ作成などの成果が期待されている。


今後の観測結果が実に楽しみだ。

軌道エレベーター技術のテスト開始

SFファンにとって、軌道エレベーターは夢と憧れの対象だ。
その軌道エレベーター構想が段々と実現に近づいてきていると思うと、
実にいい時代に生まれてきたものだと思う。

小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」、順調にイトカワに接近

2年4ヶ月の旅路を終え、はやぶさはようやく小惑星イトカワに追いついた模様。

小惑星イトカワまで30キロ はやぶさが順調に接近
 宇宙航空研究開発機構は12日、小惑星探査機「はやぶさ」がとらえた小惑星「イトカワ」の画像を公開した。11日午前零時、約30キロ離れた場所から撮影。クレーターや表面の起伏がはっきり見えるようになった。
 はやぶさは順調に接近を続けており、12日午後にはイトカワから20キロ離れて伴走する軌道に到達する見通し。
 はやぶさは太陽系ができた当時の記録をとどめている小惑星の岩石を採取するため、2003年5月に打ち上げられた。

次期火星探査計画

昨年暮れ、火星で現在も地殻活動が続いている可能性を示す証拠が発見された。
今年初めには火星大気中に有機物が発見され、生命の存在の可能性が高まった。
そして先月、ついに火星に巨大な氷が発見され、現在も火星に大量の水が存在することが確認された。

・火星は死の星ではなかった?
・火星大気にアンモニアを確認
・果たして火星に生命は存在するのか?
・マーズエクスプレスが火星のクレーター内に氷発見

ここまで色々な発見が相次げばそりゃ火星探査にも力が入ろうというもので、
次の探査機は将来人類が火星に降り立つことを想定した調査までミッションの目標に含んでいる。

スペースシャトル無事帰還

しばらく旅行に行っている間に色々とあったみたいですね。
10日近くニュースから切り離された生活をしていたものですっかり今浦島です。
まずは一番気になっていたシャトルのニュースから。

第10番惑星発見

太陽系に第10惑星、冥王星より遠く大きい…NASA
 【ジョンソン宇宙センター(米テキサス州)=笹沢教一】米航空宇宙局(NASA)は29日、米カリフォルニア工科大などのチームがカリフォルニア州パロマ天文台の観測で、太陽系の最遠部に冥王(めいおう)星より大型と見られる天体を発見したと発表した。NASAは、太陽系10番目の惑星としている。


まだ確定ではないけれど、新惑星発見というのは驚き。
名前は何になるんだろうか。

NASA-Funded Scientists Discover Tenth Planet

マーズエクスプレスが火星のクレーター内に氷発見

クレーターの底に氷の湖が見つかったんだってさ。
場所は火星の北緯70度東経103度の地点。
地球で言えば極地方に当たるだろうか。
緯度が高いからクレーターの影で溶け残ったのかな。

年代はどのくらいになるんだろう。
剥き出しなのに昇華して消滅していないということはそれほど古い氷じゃ無さそうだが。

Water ice in crater at Martian north pole
あまりにきれいな写真なので最初はイメージ図かと思った。

ASTRO-E2打ち上げ成功!

衛星が完全に展開するのは9日後だけれど、とりあえず打ち上げ成功に乾杯!
ライブ画像で地球がロケットの後ろにどんどん遠くなっていくところがきれいだった。
バックミュージックも良かったし。

castyがネット配信していた解説も良かった。
ストリーミングだけでなくビデオファイルで公開してくれないかな。


<追記>
流れていた音楽はここで聴けた。
宇宙の音楽募集キャンペーン
「そらのうた」という曲がとてもいい感じ。

TV@ISAS
今回のストリーミング配信のデータとは違うがここで様々な動画を見ることが出来る。
ストリーミングのデータもそのうちここで配信されるのだろうか?

ASTRO-E2打ち上げライブ放送

今日午後0時30分頃M5ロケットで打ち上げ予定のASTRO-E2だが、
ネットで実況中継をやるということなので現在見物中。

打ち上げ前の間に説明ムービーが流れているんだがこれが意外といい出来。
ちょっと文字のスクロールが早すぎるけど(笑)
書いているうちにも後15分ほどになった。

打ち上げが楽しみだ。

ディープインパクト計画、NASAのサーバーにも「ディープ・インパクト」

彗星衝突で NASA サイトに記録的アクセス
彗星探査機『Deep Impact』の発射した衝突体が、テンペル第1彗星に見事命中するさまは、それを報じた 米航空宇宙局 (NASA) の Web サイトに爆発的なトラフィックをもたらした。ニューヨークのマンハッタン地区の半分ほどの大きさの彗星に高速で 激突 した衝突体の終焉は、約8000万のページビューを生んだ。

「まったく桁外れだ。まちがいなく記録的な1日だった」と、NASA のインターネットサービス担当マネージャ Brian Dunbar 氏は取材に対して語った。同氏によれば、これまでのトラフィック記録は、2004年に探査機が火星に着陸した際の3000万ページビューだったという。


ディープインパクトのページはトップページだけでもHTMLと画像合わせて260KBもあります。
×8000万=転送量は20TBオーバー
とてつもないトラフィック量ですね。

俄かファンも含めて何千万もの天文ファンがNASAのサイトを見に押し寄せたということでしょうか。
予期せぬ形の「ディープ・インパクト」ですね(笑)

ディープ・インパクト計画成功

記事にするのが遅れましたが、見事に成功しましたね。
NASAのディープインパクト計画のページに衝突の瞬間の写真が掲載されています。
hp-hri-HRI_937_1.jpg
From NASA

飛散した塵の成分を調べるにはまだしばらくかかるでしょうが
とりあえず今回の成功から彗星の構造がほぼこれまで考えられていた通りだったらしいことが判ります。
今後成分分析が進めば初期太陽系の原子組成もわかってくるでしょう。
研究の進展が楽しみです。

『ディープ・インパクト』衝突の画像、ネット上で速報

「ディープ・インパクト計画」いよいよ明日実行

いよいよ明日ですね。
既に衝突機は射出されているはず。

太陽系の謎解明へ「ディープ・インパクト」 彗星“爆撃”し飛散物質分析
来月4日 NASA壮大計画
 「ディープ・インパクト」といっても映画の題名や競走馬の名前ではない。人類史上初めて、彗星(すいせい)の内部を直接調べようという米航空宇宙局(NASA)の彗星探査計画だ。米独立記念日の七月四日、重さ三百七十キロの銅製の衝撃弾(インパクター)を彗星に撃ち込み、飛び散った内部物質の観測を目指す。約四十五億年にわたって彗星の内部に閉じ込められてきた原始太陽系の構成物質に、米国らしい壮大な手法で光をあてる。(溝上健良)


どんな観測結果が得られるかワクワクします。


ディープ・インパクト探査機、初めてテンペル彗星の核を捉える(AstroArts)
Deep Impact: Your First Look Inside a Comet!(NASA)

ソーラーセール実験機打ち上げ失敗

太陽帆船、打ち上げ失敗 ロケットのエンジン停止
 【ワシントン21日共同】民間団体の米惑星協会(本部カリフォルニア州)は米東部時間の21日午後(日本時間22日未明)、太陽の光の圧力だけで宇宙空間を進む世界初の太陽帆船(ソーラーセール)「コスモス1」をバレンツ海のロシア原子力潜水艦から打ち上げた。
 しかしロシアのタス通信がロシア宇宙関係者の話として伝えたところでは、弾道ミサイルを改造した3段式ロケットの1段目エンジンが途中で停止、地球周回軌道への投入に失敗した。


打ち上げ失敗ですか…
NASAが現在テストしているソーラーセール宇宙船が成功するかどうかの試金石になると考えられていただけに、今回の打ち上げ失敗は残念です。

土星の新しい衛星が12個発見される

ハワイ大の研究チームがスバル望遠鏡を使って土星の衛星を新たに12個も発見したそうな。
「すばる望遠鏡」でハワイ大、土星の12衛星を発見
 日本のすばる望遠鏡で土星の衛星を新たに12個発見したと、米ハワイ大の研究チームが発表した。

 土星の衛星は、米航空宇宙局(NASA)の探査機カッシーニが昨年発見した2個を含め、これまで34個が見つかっている。今回の発見で計46個になり、太陽系最多の61衛星を持つ木星に迫ってきた。

 研究チームは昨年12月、米ハワイ島マウナケア山頂にあるすばる望遠鏡で土星の周辺を撮影。今年3月まで同山頂のほかの2望遠鏡でも確認した。

直径3~7kmというからかなり小さい。
さらに土星の自転方向と逆に回っている逆行衛星が12個中11個にものぼるそうだ。
アステロイドベルトあたりから流れてきた迷子かな?

世界最大級の陸域観測衛星ALOS

ちょっと言及が遅れたが、先月27日に筑波で9月打ち上げ予定の陸域観測衛星ALOSが報道陣に公開された。

陸域観測衛星、ほぼ完成 宇宙センターで公開
 今年9月にもH2Aロケットで打ち上げる予定の陸域観測技術衛星「ALOS」がほぼ完成し、27日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで公開された。
 本体は縦約6・5メートル、横約3・5メートル、奥行き約4・5メートル。太陽電池パネルを広げると全長が約27メートルに達し、軌道上の重さ4トンは日本が飛ばしているどの人工衛星よりも重い。2階建て住宅ほどもある堂々とした姿だが、デリケートな装置を数多く搭載しているため、ほこりを避けるクリーンルームに格納している。


リンク先にはALOSの写真も公開されているが、非常に大きい。

タイタン大気中に複雑な有機物が存在

土星探査衛星カッシーニが、タイタンの大気中に複雑な有機物の存在を感知した。

Wired News - 『カッシーニ』、タイタンの大気中に複雑な有機物を発見 - : Hotwired
 米航空宇宙局(NASA)の土星探査機『カッシーニ』が土星最大の衛星タイタンに対して行なった6回目のフライバイ(接近通過)により、高層大気に複雑な組成の有機物がかなり含まれていることがわかった。この発見をきっかけに、地球でどのようにして生命が生まれたかについて手がかりが得られるかもしれないと科学者たちは話している。

軌道エレベーター構想

軌道エレベーターというものをご存知ですか?
軌道エレベーターとは惑星表面から静止軌道の先まで伸びたエレベーターの事で、昔からSF作品に好んで使われた題材です。
軌道エレベーター Wiki

高性能望遠鏡貸します

アマチュア天文家にとって新しい星を見つけ自分の名前を残すことは大きな夢だろう。
しかし高性能の望遠鏡を手に入れ、観測に適した土地で過ごすことは全ての人が出来ることではない。
ところがITの発達は自宅にいながらにしてネットを通じ高性能の望遠鏡を利用することを可能にした。

高性能望遠鏡「ウェブレンタル」で超新星発見のチャンス
 このサービスで提供される望遠鏡とデジタルカメラはウェブ経由で操作可能で、パケット氏をはじめ約5000人の宇宙マニアたちによって、天空を精査するために利用されている。テレスコープ・タイム社はカナリア諸島テネリフェ島のテイデ山に2台の望遠鏡を所有している。スルーのサービスに加入すると、年間約50ドルで、あらかじめ選択した場所に望遠鏡が向けられたときの画像(写真)を見ることができる。どちらかの望遠鏡で5分間の時間枠を予約し、自分の好きな対象をじっくりと眺めることも可能だ。

NASAの無人宇宙船が故障

15日に打ち上げられたNASAの小型無人宇宙船が故障によって操作不能に陥り、放棄されることが決定した
この無人宇宙船は国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給等の目的のために研究されているもので、
DARTという名称がつけられている。

火星の石を持ち帰れ!

欧州宇宙機関(ESA)が現在火星の岩石サンプルを地球に持ち帰る計画を立てているそうだ。
プロジェクト名は「Aurora(オーロラ)」。

火星の石を持ち帰れ! 欧州宇宙機関が「Aurora」プロジェクトを始動へ
Auroraの初期プロジェクトとなるフェーズIでは、火星におけるミッションを遂行するために、候補に挙げられている「BeagleNet」「ExoMars」「ExoMars-Lite」といった火星探査車を1台以上搭載する探査機を、2011年6月に仏領ギアナのKourouにあるESAの宇宙センターより、「Soyuz Fregat 2b」ロケットで打上げる計画が立てられているという。2013年6月には、火星探査車を火星へと送り込み、ドリルで2mの深さまで掘削して貴重なデータを採取するなど、数々のミッションをこなしていく予定になっているようだ。

フェーズIは、その後の2016年にスタート予定の、実際に火星からサンプルアイテムを地球へ持ち帰る「Mars Sample Return(MSR)」ミッションに続くほか、将来的に有人火星探査を実現するための基礎環境データの取得などが目指されるという。


今後の進展が非常に楽しみです。

金環皆既日食

今週の土曜の朝早くに皆既日食が起こるそうな。
生憎と観察できる場所は太平洋の島々やニュージーランドと簡単に見に行ける場所ではないが
ネットでもストリーミング放送による生中継がなされる模様。

<金環皆既日食>太平洋上で観測、ネットで生中継 9日
 日本時間の9日未明から朝にかけて、ニュージーランドなど太平洋上を中心に金環皆既日食が見られる。観測地点によって金環日食が見えたり、皆既日食が見えたりする現象で、1987年以来18年ぶり。日本からは見えないが、民間の観測組織「ライブ!ユニバース」(事務局・東京)が中米・パナマと太平洋上の2地点で観測し、金環、皆既の両方をインターネットで生中継する。
 ニュージーランド南方の海上で始まった金環日食が太平洋上で皆既日食に変わり、中米・コスタリカ沖のカリブ海で再び金環日食に戻る。
 日食は地球から見て、月が太陽の前を横切る時に起きる。月の見かけ上の大きさ(視直径)が太陽より小さい時は月の周りから太陽がはみ出す金環日食に、大きい時は太陽が月にすっぽり隠れる皆既日食になる。
 今回は月と太陽の視直径がほぼ同じで、地上から月までの距離がわずかに変化するだけでも、月の視直径が太陽より大きくなったり小さくなったりするため、金環皆既日食になる。
 中継は9日午前5時~同8時半まで(http://www.live-eclipse.org/)。次の金環皆既日食は2013年11月、大西洋からアフリカにかけて起きる。【下桐実雅子】

暗黒星雲の全天地図

銀河系内に存在する暗黒星雲の全天図を東京学芸大の土橋助教授らが作成。

暗黒星雲:全天地図帳を作製 世界初 東京学芸大教授ら
 銀河系を漂う暗黒星雲の分布を示す精密な全天地図帳を、東京学芸大土橋一仁助教授らのチームが世界で初めて作製した。暗黒星雲は宇宙に漂うガスやちりが集まった宇宙の雲で、星の誕生の場として重要な役割を果たしている。今後の天文研究の重要な基礎資料になりそうだ。東京都日野市で開催する日本天文学会で30日、発表する。


98年から7年もの歳月をかけて7億個の星の明るさを調べ、一つずつ暗黒星雲の位置を特定していったとのこと。
特定された暗黒星雲の数は5300個近くにもなるようです。
地道で大変な作業を続けてきたチームに賞賛の声を送りたいと思います。

太陽系外惑星の直接観測に成功

他星系の惑星を観測するのは非常に難しい。
惑星は恒星に比べて非常に小さく、自分で光を発することも無いからだ。
しかし10年前に初めて太陽系外惑星が発見されて以来、系外惑星探査は大きな進展を遂げた。
今では100を超える太陽系外惑星が発見されており、惑星の温度や軌道、大気の有無といった詳細まで判明しているものまである。
惑星科学の新時代到来、系外惑星の直接観測に成功

NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が初めて、2つの系外惑星の直接観測に成功した。観測結果からは、数百光年離れた惑星の温度や大気、軌道についての情報まで得られている。惑星科学の新たな時代の到来だ。

系外惑星が初めて発見されてから約10年、その存在自体は確認されていたものの、従来の系外惑星の観測方法は間接的なものにとどまっていた。たとえば、惑星が恒星の前を横切る際に恒星のみかけ上の明るさが変化する現象を観測して惑星の存在を確かめるトランジット(恒星面通過)法や、惑星が恒星に及ぼす重力の影響で星の運動がふらつくようすを観測して確かめる方法などである。

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